知覚過敏とは?症状と特徴
冷たい飲み物やアイスを口にした瞬間、「キーン」と鋭い痛みが走り、数秒でスッと引く。
それは知覚過敏(ちかくかびん)のサインかもしれません。
知覚過敏は、歯の内側にある神経(象牙質)がむき出しになり、冷たい・熱い・甘い・酸っぱい刺激が直接伝わることで起こります。
歯の表面のエナメル質の損傷や歯茎の退縮が原因で象牙質が露出し、刺激に過敏に反応してしまう状態です。
虫歯と症状が似ていますが、原因も治療法も異なるため、歯科での診断が必須です。
知覚過敏セルフチェック|こんなお悩みありませんか?
- アイスや冷たい飲み物を口にすると歯がキーンと痛む
- 歯ブラシの毛先が触れるだけで「ズキッ」とする
- 冬場、冷たい風を吸い込むと歯にしみる
- 特定の歯だけチクッとした刺激を感じる
- 熱い飲み物でも「ピリッ」とした違和感がある
ひとつでも当てはまる場合は知覚過敏の可能性があります。放置すると痛みが悪化し、歯磨きや食事が困難になることも。
知覚過敏の主な原因
知覚過敏は「象牙質の露出」が根本原因ですが、その背景にはさまざまな要因があります。
歯茎の退縮(歯ぐきが下がる)
- 加齢・歯周病・強すぎるブラッシング・歯ぎしりが原因
- 根元が露出し、刺激に敏感になります
エナメル質のすり減り
- 強いブラッシングや歯ぎしりによって摩耗
- 内側の象牙質が露出してしまう
酸蝕歯(酸によるエナメル質の溶解)
- 炭酸飲料・ワイン・酢の物など酸性食品の習慣的摂取
- 酸性状態での歯磨きはNG(30分置いてから)
💡 ワンポイント
酸性の飲食後は水でうがいし、30分ほど経ってから歯磨きをしましょう。
当院で行う知覚過敏の治療
薬物塗布
症状が軽度な場合には、歯の神経を保護する薬剤を歯の表面に塗ることで、刺激をブロックし、痛みを和らげることができます。 この方法は短期間での改善が期待でき、特にしみる症状が出始めた方におすすめです。患者さん一人ひとりの状態に合わせて、適した薬剤を選びながら、負担の少ない形で治療を進めていきます。
ND-YAGレーザー
当院では、ND-YAGレーザーによる治療も導入しています。 このレーザーは、歯の表面を保護する薄い膜を作ることで、外からの刺激をブロックし、しみる症状を緩和します。 痛みが少なく、治療後の回復も早いため、患者さんからも「思ったより楽だった」と好評の治療法です。
かみ合わせの調整
意外と見落とされがちですが、かみ合わせのズレや歯ぎしりが知覚過敏の原因になっていることもあります。 歯に強い力がかかることで歯の表面が傷つき、象牙質が露出してしまうことがあるのです。 当院ではかみ合わせの状態をしっかり確認し、必要に応じて調整を行います。 「特定の歯だけしみる」といった方は、ぜひご相談ください。
歯科医師からのコメント
知覚過敏は、「放っておけば治る」と思われがちですが、原因を特定して早めに対応することで、日常生活が格段に楽になります。 当院では、患者さんの状態やライフスタイルに合わせて、できるだけ負担の少ない方法をご提案しています。 「これくらいの痛みなら大丈夫かな」と我慢せず、お気軽にご相談くださいね。
知覚過敏に関するよくある質問
知覚過敏を放っておくと、どうなりますか?
残念ながら、知覚過敏が自然に治ることはあまりありません。 症状があるまま放置すると、歯ぐきがどんどん下がったり、エナメル質がさらに削れたりして、しみる範囲や痛みが広がってしまうこともあります。 また、露出した象牙質は虫歯にもなりやすく、知らないうちに進行していた…なんてことも。早めのケアがとても大切です。
知覚過敏の痛みがずっと続いているのは、何が原因?
知覚過敏の痛みは、通常数秒〜十数秒でおさまるのが特徴です。 ずっと痛い・じわじわとした痛みが続く場合は、虫歯や歯のヒビ、神経の炎症など、別の原因があるかもしれません。 「しみるだけじゃなくてずっと痛い」そんなときは、早めに歯科での検査を受けていただくことが大切です。
ストレスが原因で知覚過敏になることはありますか?
患者さんからもよくいただくご質問です。 ストレスそのものが直接の原因になるわけではありませんが、歯ぎしりや食いしばりを引き起こすきっかけになることがあります。 こうした習慣が歯に負担をかけ、結果として知覚過敏を招くことがあるため、間接的な要因としては関係があります。 歯ぎしりが疑われる場合は、マウスピースなどで対応することも可能です。
知覚過敏を予防する方法はありますか?
はい、あります。まずは強く磨きすぎないことが大切です。 やさしい力で歯ブラシをあて、丁寧に磨くことを意識しましょう。 また、フッ素入りや知覚過敏用の歯みがき粉を使うのも効果的です。 歯ぐきの下がりやかみ合わせの異常も知覚過敏の原因になりますので、定期的に歯科でのチェックを受けることが一番の予防策になります。
知覚過敏の痛みは虫歯より痛いですか?
知覚過敏と虫歯の痛みは「質」が違います。 知覚過敏は冷たいものや歯ブラシの刺激に対して一瞬だけ鋭くしみるような痛みです。 一方で、虫歯はズキズキとした持続的な痛みがあり、夜中や何もしていない時にも痛むことがあります。 どちらか迷ったら、まずはご相談ください。正確な診断を行い、適切に対応いたします。